2011年6月22日水曜日

二つ星 新日本料理

なかなか予約が取りにくい、六本木の新日本料理でディナー・・
龍神、雷神が大好きな料理長の趣味でいっぱいの店内、器も龍でいっぱい・・・

日本料理をいかに進化させるかという料理長の情熱があふれる様な一品一品でした。

アンリオ、ドゥーツ、ジャックセロスとシャンパーニュが続きコントラフォンのムルソーへ・・・

今年初めて頂く鮎、15㎝ほどの鮎はスモーク香がして頭からしっぽまで美味しく頂きました。

賀茂なすを包んだ鱧も美味しい、鮎に鱧、そしてたっぷりと厚みのある天然ウナギ・・・そういえばこの日は夏至、夏ですね。

ウナギはエアコンプレッサーで神経を抜いてから炭火焼にしたそうですが、パリパリの皮の焼き方は秘密だそうです。
ここでワインはアルマン・ルソーのシャルム・シャンベルタンがサーヴィスされました。

一口の可愛いおでんが出たり、牛フィレ肉が出たり・・・そして素晴らしいムルソーやシャンベルタンを飲みながらなんだかフレンチが食べたくなってしまいました。

進化した日本料理とはいってもやはり日本酒の方が良いのでは・・・



デザートはスペシャリテ -196℃の桃の飴と+99℃の桃の飴炊き・・・
桃の飴を潰すと粉になったミルクのソルべが出てきます。そこにアツアツの桃の飴炊きを合わせる・・という、楽しいデザートでした。

すっかり料理長の世界に引き込まれました。

そしてとても刺激をうけました。やはり活気のあるレストランは人を引き付ける何かがあるもの、新しいレシピを作り上げるためにも出かけていかなくてはだめですね。つい行きつけている所ばかりになってしまいますが積極的に出かけて、シェフたちの情熱とパワーに触れなくては・・と思いました。

どこかと似ている・・・始めからそんなん事を思いながら食事をしていたのですが思い出しました!
カンテサンス!フレンチと和ですが似ている・・・中途半端な照明と落ち着かないテーブルレイアウトまでも

ここも予約がむつかしいお店でした。
食後の疲労感も同じでした。ごちそうさまでした。

2011年6月18日土曜日

メトロポリタンオペラ



メトロポリタンオペラが来日、”ラ・ボエーム”を見ました。
震災の影響でキャンセルが懸念されましたが、指揮者レヴァインと主役ネトレプコが代役で行われました。

終了後、出演者の方々に会う事が出来たり、舞台裏の雰囲気もなかなか興味深い、楽しい晩でした。

オペラの楽しさってなんでしょう?

芝居であって音楽でもある、すぐれた歌唱力と演技力を備えた歌い手、合唱団、時にはバレーダンサー、指揮者、オーケストラ、そして舞台装置、照明、衣装と、それにメトロポリタンオペラともなればすべてが超一流、とにかく贅沢、ひと時、この非現実な快感に身をゆだねてみることでしょうね。

本格的なオペラファンではない私、長ーくて重ーいのは苦手、でもとても幸いなことに、今までに数えきれないほどの、超一流の歌劇場の演目を見る機会があって、今大好きになりました。

ミラノスカラ座、ロイヤルオペラ、ウイーン国立歌劇場、ボリショイオペラ・・・始めは居眠りしたり、ワグナーなどはまるで苦行のように感じていました。
でも本物の力はすごく、蓄積された物は確実に私の宝物になっています。


ラ・ボエームもそうですが、恋物語が多いですね。出会い、恋に落ち、幸せを高らかに歌い上げ、そしてお決まりの疑い、嫉妬、争い、誤解、行き違い・・・別れ、再会、許し、死で完結・・・

良くありそうな恋物語を壮大なドラマに仕立て、最高の音楽、歌、舞台で見せる・・・
これをいかに楽しむかは見る側の感性と経験が物をいいます!

2011年6月14日火曜日

ジャガイモ 大豊作



3月に植え付けたキタアカリがこんなにごろごろと・・・・
まだまだ寒い頃、3個の種芋を半分に切り、草木灰を切り口にまぶし植え付けました。5月に入ってからはどんどん大きくなり、花が咲き、葉が黄色くなるのを待って、やっと収穫時期を迎えました。

引き抜くと小さなお芋は根について出てきますが、大きいものは土の中にまだ埋まったまま、注意して手で掘り上げないと、移植ゴテで掘ったりすると傷をつけてしまいます。
今日は半分だけ収穫、それでもずっしりと重く、豊作です。



人参も3月に種蒔きをしました。人参は発芽するまで水分を切らさないように不織布をかけ、間引き、肥料やりとここまで大きくするには手間がかかります。
でも引き抜いてきれいなオレンジ色のニンジンが出てくると感激です。
当分、キャロットラぺとジュースで楽しみます。
種が半分残っているので7月に入ったら、秋の収穫分を撒きます。



このきれいな花はコモンマロー、ウスベニアオイです。花を摘み、乾燥させ、お湯を注ぐと青紫のきれいなアンフュージョンに、レモンを加えるとピンクに変わります。
シャーベットやジュレの着色に使うのでせっせと摘んで来てはキッチンで乾燥させています。

この日の収穫はこの他にキュウリ、しし唐、九条ネギ・・・野菜作りは楽しい!もう少し広い畑が欲しくなりました。

2011年6月12日日曜日

ウイリアム・モリスとアカンサス

庭のアカンサスが花を咲かせています。
日本名は葉アザミ、大きな葉は梅雨時が一番きれい、葉の形が美しいので建築物や内装のモティーフになっています。

イギリスの19世紀の詩人、デザイナーのウィリアム・モリスは好んでアカンサスの葉を壁紙やカーテン生地にしました。
モダンデザインの父と呼ばれるモリスは産業革命後の大量生産に疑問を持ち、モリス商会を設立して、生活と芸術の一致を試みました。

私の家も30年ほど前建てた時にはカーテンはサンダーソンのウイリアム・モリスパターンで誂えました。白のしっくい壁にアンティーク家具・・・今とは全く違う部屋でした。




薔薇が終わって庭はアナベルがきれいです。雨模様の暗い庭は白い花が一番きれいです。他のアジサイもありますが、アナベルの存在感には負けてしまいます。アジサイと違って思い切り剪定してしまっても必ず毎年咲いてくれます。アナベルを中心に山あじさい、ハイドランジア、ピラミッドアジサイなど全部白、間違えて植えてしまったピンクは冬まで待って他の場所に移植・・・だんだん良い庭になって来ていますが、庭仕事に終わりはありません。


2011年6月10日金曜日

久しぶりのイタリアンレストラン

ミッドタウンの裏、緑の多い静かな一角、モダンな建物の地下にそのお店はありました。
看板もなくひっそりした佇まい、建築家が手掛けた室内はシンプル、すっきりと美しい・・・
暗めの照明にキャンドルの明りがリネンの白を照らします。
見事な紫のバンダオーキッドの鉢だけが色を添えていました。


色々なアンティパストの後に出てきた、カルチョフィ(アーティーチョーク)、シャンピニオンディクセルがスタッフィングでした。
塩の入らないトスカーナのパン、合わせたソービニョン・ブランも素晴らしい!



短めに作られたトスカーナ独特のパスタの後にこのリゾット!お米がトリュフに隠れて見えません。
ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノがトリュフによく合います。そういえばモンテプルチアーノは行ったことがありました。美しいトスカーナ地方のぶどう畑を思い出しました。





メインはこのお店のスペシアリテ、薪で焼いた肉、この日はシャラン産の鴨でした。秋には鹿やイノシシが楽しめるそう、楽しみです。
焼いただけでソースなし、イタリアンらしくてとてもおいしい・・ワインがブルゴーニュだったことを除けば完璧でした。

アマレットの効いたデザートにレモンチェッロ・・・思いきりイタリアンな夜でした。

となりのテーブルでは年配の素敵なご夫妻が奥様の誕生日をお祝いしていました。シャンパーニュと薔薇の花束とケーキ・・・
一緒にお祝いをさせて頂きました。70何回目のバースデイですって!

ここはひっそりと恋人と食事やワインを楽しむのには良いレストランです。
来週、オペラの後に又、来ようかな・・プッチーニの後にはふさわしい・・・

2011年6月4日土曜日

仕事着 エプロンの紐



私の仕事着はパンツに白シャツと白エプロン、ネックレスとイヤリングは必ずつけます。

エプロンはなかなかぴったりするものがないので、オーダーします。何パターンか作ってどうにか”これかな・・・”と思うような物が出来あがりました。洗濯後の生地の変化など、もう少し着用してみて、改良を重ねて行くつもり。
一番大切なのはウエストの紐なのです。

朝、仕事着に着替る時、まず、その日の体調、気分にしっくりくるアクセサリーを選びます。
不思議ですがその日によってパールがなじむ日、ゴールドが良い日があったり、ヒスイ、サンゴが心地良かったり・・・気を高めてくれる物を感覚で選びます。
最近はパールが多い・・・

そして姿見の前で最後にエプロン、紐をきっちり締めると仕事モードにスイッチが入ります。ですから緩みやすいものはだめ、この感じは料理を仕事にしている人たちの共通の感覚の様な気がします。

仕事着を着ないで作る料理とは微妙な差があるような気がします。


思い出すのはキャサリン・ゼタ・ジョーズ主演の”幸せのレシピ”、彼女がコックコートにエプロンの紐をしめると、表情が変化する・・・よく出ていましたね。”うーん、わかる、わかる”と思いながら見ていました。
そして肉の焼き方に言いがかりをつける客のところにナイフに刺した肉を持っていき、そのままテーブルにナイフごと突き刺して、エプロンを脱ぎ捨てシェフをやめる場面・・ここもエプロンの意味がありましたね。


時々考えます・・・通って来てくださる生徒さんに感動を与える事が私に出来るだろうか?
そんな弱気になる日もあります。

でも気に入ったエプロンの紐をしめて、最善を尽くそう・・・今、その一瞬に一生懸命集中する事が私に出来る事、あと何年続けていけるかわかりませんが・・・

仕事が終わってエプロンを脱ぐ時、最善を尽くした日は充実感でいっぱい、ON OFF の切り替えが上手くいった日は幸せです。

2011年6月1日水曜日

フローリスト 尚子ちゃん

ロンドンでフローリストとして長年仕事をしている尚子ちゃんが帰国、今回はタイミングが合わず、講習会は出来ませんでしたが、彼女の滞在中、テーブルの花のアレンジをお願いしました。

花材からアレンジまですっかりお任せ、用賀の花市場で仕入れてそのまま来てくれます。
6月、シンプル&ベーシックのクラスはエスニック料理なので、ビビッドな色合いのカジュアルアレンジ、ガーベラで作ってくれました。

 


いつもは私が作りますが、花材は実際に見て買うわけではないので、添え物のグリーンや微妙な色合いの花選びが出来ず、単調になってしまいます。

さすが現役フローリスト、あっという間に3つのハンドタイスパイラルブーケが出来あがりました。

尚子ちゃん、ありがとう! でも来週ロンドンに帰ってしまうのね・・・

尚子ちゃんのウェブサイトはイギリスの美しい画像がいっぱいです。
http://www.almostunreal.jp/