大好きな大女優、老いたジャンヌ・モローがシャネルをどう着ているかを見たくて、友人を誘って猛暑の銀座で映画を見ました。
友人はこの猛暑にきちんとシャネルのジャケットに白蝶貝のカメリアつけて、美しいパールにマノロのミュール、それなのに私は膝が痛くて(老化です)、暑くて、麻のアンサンブルにペッタンコ靴!!
こんな格好しているのでティケット売り場で<シニア>というのにためらいを感じるのです!猛省。
映画は”クロワッサンで朝食を”なんて変な邦題ですが、そんな軽いイメージの映画ではありません.
本題は”パリのエストニア人”という地味な映画です.
ジャンヌ・モローの演じる老女の老いの孤独と悲しみが全編に滲み出ていました。圧倒的な存在感!
ストーリーは彼女の元恋人がエストニア人の家政婦に彼女の世話をさせるのですが、(裕福な彼女も実はエストニアからの移民)必要ないと拒絶、実に意地が悪い,
朝食は紅茶とクロワッサンと聞いた家政婦はスーパーマーケットで買ったクロワッサンを用意するのですが、一目で”これはプラスティック、クロワッサンはパン屋で買うもの”と拒否し、紅茶は床にこぼすといった具合。
悲しみに満ちた頑なな表情は息苦しくなるほど・・・元恋人は彼女の存在が疎ましく、死を待っている・・・でも係わらずにはいられない、男の戸惑い。
そしてある日彼女は彼が家政婦と関係を持っていると気づき、さりげなく彼に聞く・・・・あっさり認める彼、なんでもない事のように受け流す事で、誇りを保つ老女の悲しみ・・・
その誇りを彼女の纏うシャネルの衣装が象徴的に表しているのです。
悲しいけれどみじめではない・・・深いしわさえ美しいジャンヌ・モロー自身と重なります。
こんな風に誇り高く老いを受け入れる事が出来るかしら?
私の好きなジャンヌ・モローの言葉があります。
”私は人からどう見えるか、なんて少しも気にならない。自分が存在している事を知っているから。人に見られて存在を知ってもらう必要はないの。愛情関係はそれよりずっと深く、私にとってはより価値があるものなのよ。”
ですって!
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